整体師に関係のある国家資格

ここでは、整体師に関係のある国家資格や民間資格について説明します。

整体師には資格よりも知識や技術が必要

実は整体師になるには、国家資格も民間資格も必要ではありません

極端なことを言うと、今すぐに誰でも整体師を名乗ることができます。

しかし、専門的な知識や技術がなければ、整体師として仕事をして、生活できるレベルの収入を得ることは不可能でしょう。

実際はきちんとしたカリキュラムに沿った講義を受けられる整体スクールに入学して、基本的な知識と技術を習得し、その学校の「卒業認定資格」をもらって整体師となるケースが一番多いようです。

この卒業認定資格というのは、国家資格ではなく民間資格です。資格というよりは修了証に近いものですが、独学では学ぶことが難しい、人体に関する知識と整体独自の手法を、整体スクールで取得したという証明になります。

なお、整体スクールによっては「厚生労働省認可」「東京都知事認証」「内閣府認証」などといった表示がありますが、日本国内には厚生労働省や東京都などの公的組織に認可されている整体スクールはありません。

このような表示は、厚生労働省などが認可している組合に加入している、という意味だと考えられ、公的機関が認定している資格が取れる、という意味ではないのでご注意ください。

国家資格がいらない整体師だからこその利点

整体師と業務内容が似ている職業に、柔道整復師・マッサージ師・鍼灸師(しんきゅうし)がありますが、それら3つは全て国家資格が必要です。

●整体師=国家資格も民間資格も不要。

●柔道整復師=国家資格。養成学校で3年間学んだ後に国家試験を受ける。学費はトータルで約500万円。

●マッサージ師=国家資格。養成学校で3年間学んだ後に国家試験を受ける。学費はトータルで約500万円。正式名称は、あん摩マッサージ指圧師。

●鍼灸師=国家資格。3年制の養成学校または4年制の鍼灸大学を卒業後に国家試験を受ける。学費はトータルで約500万円~750万円。免許は、はり師免許、きゅう師免許の2つに分かれており、片方だとそれぞれ、はり師、きゅう師となるが、両方の資格を取得すれば鍼灸師になれる。

柔道整復師・マッサージ師・鍼灸師は、資格を取得した後は、接骨院や整骨院に勤務するか、自ら開業することがほとんどです。

一方、整体師は資格に縛られないので、職業の自由度があります。整体院だけでなく、スポーツトレーナーや介護・福祉系業界、美容業界で働くなど、幅広い分野で活躍できる職業なのです。

取得しておいたほうがいい整体師の民間資格

国家資格ではありませんが、民間資格として「体を整える」という意味での整体の分野で展開されている資格がいくつかあります。

民間資格は「資格を取得していないと仕事ができない」と法律で定められているものではありません。しかし、近年は民間資格であっても資格を取得していることが一種の指標となっている面もあるため、それらの技術を生業としている人は、資格を取得した上で仕事をしているというケースがほとんどです。

では、整体関連の民間資格で代表的なものについてご紹介していきます。

ゆがみの矯正・体の不調を改善させる「カイロプラクティック」

カイロプラクティックは、独自の技術を用いて体のゆがみを矯正したり、傷みを軽減するなど不調を改善する技術です。
日本では国家資格として認められていませんが、発祥地のアメリカを始め、ヨーロッパでは医師と同じくらいのレベルで認められている国家資格になります。

そのため、海外では保険適用で治療を受けることができますが、日本では医療として認められていないので、保険は適用されません

柔道整復師が筋肉の緊張や痛みを和らげる施術であるのに対し、カイロプラクティックは神経にアプローチして不調を改善させていきます。
腰痛やムチウチなどほのか、自律神経失調症や生活習慣病にもよい効果を発揮するといわれており、施術が合う人は体のさまざまな部分が快調になるそうです。

カイロプラクティックの資格を取得するには

カイロプラクティックは海外では国家資格となりますので、海外で運営されている専門学校に通うことで、国際基準として認められた国家資格を取得することができます。
この場合、WHOという団体が認めた専門学校で学ぶ必要があり、アメリカでは6年、ヨーロッパなどほかの国では5年のカリキュラムが組まれているのが一般的です。

4,200時間以上医学の基本ややカイロプラクティックの技術について学ばなければならないので、かなり難易度の高い資格だといえます。

日本でもカイロプラクティックの資格を展開し、運営している団体や専門学校がたくさんありますが、これらは国際基準に則ったものではなく、それぞれの企業や団体が独自に展開しているものになります。

通学2年制などしっかり技術を学べるカイロプラクティックの専門学校もあり、こちらは開業までのサポートをしてくれるなどシステムがしっかりしているようです。
実際にこうした専門学校を卒業し、カイロプラクティックの治療院で働いた後に独立して自分の治療院を出す人もたくさんいるようです。

そのほか、スクールや通信教育など手軽に学べるものが多いですが、こちらは資格という形で認定されるのではなく、所定のカリキュラムを修了したという位置づけになるケースがほとんどと言えるでしょう。

足裏を刺激し血流を良くさせる「リフレクソロジー」

リフレクソロジーは、足つぼマッサージと同様の施術だと考えている人が多いですが、厳密には違います。
足裏を刺激するという意味では同じであるものの、リフレクソロジーは足の反射区を刺激すると共にリンパの流れをよくするマッサージを加えることで、血流がよくなりさらに心身の健康を促す施術です。

フットチャートに沿って行う施術で、体の各臓器の機能を活発にしていきます。
足つぼマッサージはかなり強い痛みを伴う施術がありますが、リフレクソロジーは痛気持ちいい程度の刺激で、無理なく施術を受けることができるため、足つぼを経験したいという人が最初にチャレンジする施術として知られています。

また、リフレクソロジーにはさまざまな流派があり、足だけではなく全身の施術を行うものもあるので、体のめぐりをよくすることでホルモンバランスを正常な状態に戻したり、リラクゼーションもあります。

リラックスすることでストレスから開放され、ストレスによって起こっていた不調も改善していくのです。

リフレクソロジーの資格を取得するには

リフレクソロジーもカイロプラクティックと同様、さまざまな専門学校があります。
大きく展開している流派になると、1年から2年間みっちりリフレクソロジーの技術や概念を学び、その後系列のサロンで働くことができるシステムになっているところもあるようです。

リフレクソロジーの技術を並行して、ロミロミやリンパドレナージュなど複数の技術を学べるカリキュラムを展開している専門学校もあります。

自宅で趣味の範囲で行いたいという場合は、通信教育など手軽に学べるものもあります。

リフレクソロジーも民間資格となり、必ずしも資格がなければ仕事として施術をすることができないというものではありませんが、現在リフレクソロジストとして活躍している人のほとんどが、専門学校やスクールで学んで資格を取得した上で仕事として施術を提供しています。

ホルモンバランスの乱れを改善する「リンパドレナージュ」

リンパドレナージュは、リンパを刺激することで流れをよくし、体のめぐりを活発にして新陳代謝を高めたり、ホルモンバランスの乱れを改善するといった施術です。

「リンパマッサージ」という表現をすることもあるのですが、「マッサージ」という表現は国家資格であるあん摩マッサージのみ使用できるという定義があるため、リンパドレナージュと呼ばれるようになりました。
リンパドレナージュでは部分的な施術も行いますが、全身のリンパを流すように刺激していくのが一般的です。

リンパ液は人間の全身に流れていますが、ストレスや冷えなど、少しの影響でリンパの流れが悪くなってしまいます。体のめぐりが悪くなると血流も滞りやすくなりますので、むくみや冷え、肩こりなどの原因になることがあります。

そのほか、血色が悪くなったり、ニキビができやすくなるなど、肌のトラブルに直結しやすいのも特徴と言えるでしょう。

さらに、体のめぐりが悪くなるとむくみがセルライトの原因となりますので、落ちにくい脂肪の塊となってダイエット的にも悪い影響が出てしまうのです。

リンパドレナージュはこうした症状の予防や改善に大きな効果が期待できます。

リンパドレナージュの資格を取得するには

リンパドレナージュにもいろいろな団体があり、資格を運営していますので、系列の専門学校で学んで資格を取得するというのが一般的です。
リンパドレナージュの場合も、大きな団体の運営する専門学校で学ぶと、卒業後は系列のサロンで働ける場合があります。

最近は独立したエステサロンがリンパドレナージュの資格を独自に展開し、講座を受講した人にディプロマを発行していることもあります。

スクールによって学べる範囲に大きな差があり、2ヶ月の通信教育でリンパドレナージュの基本を学べるものもありますが、この場合は資格としての認定はなく、「講座修了」という位置づけになります。

医療としてリンパドレナージュを展開している団体もあり、この団体で運営する資格を取得するには、医師や看護師、柔道整復師などの国家資格を取得していることが条件となっています。
この医療リンパドレナージュは、実際の医療の場で活用されるものになり、原発性リンパ浮腫などの治療に用いられるなど、施術技術のレベルが非常に高いです。

初級、中級、上級と分かれていて、初級を受けてから中級を取得し、継続研修を受けることで上級の資格を取得することができます。
医療として活用できる有効な資格にはなりますが、国家資格を取得した上で受講する資格になりますので、あくまで医療行為の補助的技術という位置づけです。

冒頭にもあるように、整体師になるための資格はありませんが、国家資格もしくは民間資格がないと、安定した収入は得られません。

自分にとって有利になる資格を取り、胸を張って整体師と名乗れるようになりましょう。

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